コンセプト
The Concept of HIMALAYA AWARENESS ARCHIVES
”「ヒマラヤの叡智」を通じて、気づく”
− 「ヒマラヤ・アウェアネス・アーカイブズ」(HAA) のコンセプト −
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”全体性”
ヒマラヤの叡智
”非暴力”
”変革”
全体性
Wholeness
「全ての物事は結びつき関係している」「私たちは大海の波の一つ一つ。
波のそれぞれは独立しているように見えても、大本ではつながっている」
”全てはつながっている”
『全体性』は三つの視点の基本となります。それを要約すれば、「全ては相互に繋がっている、関係している」ということです。マハトマ
・ガンディーが人生・行動の指針としたヒンドゥー教の
聖典『バガヴァッド・ギーター』は、「すべては我が身の
上のこととして他者の悲喜を わが悲喜
とし あるあらゆる生物を自己と等しく
見る人こそ 完全なヨーギー(真理の実践者)である」と説い
ています。同聖典を愛読していたアインシュタイン博士は「 すべての宗教、芸術、科学は、同じ一つの木の枝である」と唱えました。つまり、私たちは宇宙という大海に現れる一つ一つの波のようなもので、大本では繋がっている(”全体性”)という同じ道理をヒマラヤの叡智と最先端科学とが共有しているのです。しかしながら、理論物理学の権威でありインド哲学にも造詣が深いデヴィッド・ボーム博士(*注1) によれば、現代社会はこの”全体性”の理を殆ど理解せず、独断的な分離・分断化(”断片化”)の思考が未だ圧倒的に支配的であり、その悪影響が健康問題、環境汚染、政治・経済的混乱など社会全般に及んでいる、とのこと。また、ガンディーの非暴
力と自立の思想を現代に実践する著名なインド人社会活動家
サティシュ・クマール氏は、こう語っています。「畏敬の念なし
にエコロジーは成り立たず、精神性なしに持続可能性は成り立た
ない。私たちが考え方を根本的に転換し、それに基づいて行動す
る用意がなければ、対立と調和の間に均衡をもたらし、全体性を獲得することはできないだろう」。ヒマラヤの叡智の根幹をなす“全体性”の視点から世界を考えることは、とりもなおさず、ヒマラヤとの深い関係で生まれた日本の風土で培われた(禅に象徴される)「和」の精神の本質的かつ今日的意義の再考にも繋がるでしょう。
非暴力
Nonviolence
「全ての物事は結びつき関係している」「私たちは大海の波の一つ一つ。
波のそれぞれは独立しているように見えても、大本ではつながっている」
”暴力を超える”
『バガヴァッド・ギーター』を始めとするヒマラヤの叡智は例外なくアヒンサー(「非暴力・不殺生」)を説いています。ガンディーは、アヒンサーを土台とす
る彼の非暴力抵抗運動を「サテイヤーグラハ」と名付けま
した。サンスクリット語のサテイヤーは”真理”、グラハ
は”堅持”を意味し、真理を非暴力の実践により個人及び社
会において実現させる方法です。暴力的な手段に訴えず に、博愛と自己犠牲により相手の良心に訴え説得し目的を達成しようとするものです。 しかし、ガンディーのそれは、一般に考えられているような、敵の権力の前に諸手をあげて不平・不満を陳情するだけの消極的戦術ではありません。真理を基盤とした非常に積極的な(不服従を明示する)非暴力的抵抗なのです。武器の使用を伴う運動よりもはるかに有効な方法であることは、インド独立闘争のみならず、ガンディーを指針とした世界の諸運動が証明しています:マーティン・ルーサー・キング・ジュニア氏のアメ
リカ公民権運動、南アフリカのネルソン・マンデラ氏の民族融
和政策、ビルマにおけるアウンサン・スーチー氏の民主化闘争
等。「ガンジーは、ことあるごとに、対立の融和を説いてまわ
り、どのような人間でも本質的には宇宙の根源者がそもそもの
存在根拠であることを基本に据えていた。つまり、ガンジーは、
宗教や民族、あるいは国家の異質性のレベルで世界を捉えてい
たのではない。すべてを同質性から眺めていたのであり、 これこそが、アヒンサー(非暴力、不殺生)の真の最大の特質である」(*注2)
変革
Revolution
「全ての物事は結びつき関係している」「私たちは大海の波の一つ一つ。
波のそれぞれは独立しているように見えても、大本ではつながっている」
”盲従、屈従せず”
釈尊は2000年以上前、現在もインド・ネパールに根強く残るカースト制(身
分制度)による支配体制に異を唱え身分の平等を説きました。
彼は、カーストの最上位に君臨する「バラモン(司祭・僧
侶)」を引き合いに出し、こう語っています :「螺髪を結って
いるからバラモンなのではない。氏姓によってバラモンなので
もない。生まれによってバラモンなのでもない。真実と理法と
をまもる人は、安楽である。かれこそ(真の)
バラモンなのである」。著名なインド人運動家アンベードカル氏
は、釈尊の教えに深く共感した一人。彼は不可触民でありながら、
独立インドの初代法務大臣となり憲法の草案を作成した英雄です。
カーストによる身分差別の因習を打破するため、アンベードカル
は約50万人の人々と共に仏教に集団改宗し、不当に虐げられてい
る多くの人々に勇気と希望を与えました:「宗教は人間のためにある。人間が宗教のためにあるのではない」。史上最年少でノーベル平和賞を受賞したマララ・ユスフザイさんは、真のイスラム教徒としてイスラム原理主義者のテロに屈せず”ヒマラヤの叡智”を体現しています。彼女は国連等の演説において、全世界に蔓
延する女性蔑視、児童虐待、宗教悪用、テロ、貧困、不正等を
教育の重要性を強調しながら糾弾し、全ての人々に意識の根本
的な変革を訴えています:「私たちは、自分たちの権利のため
に声を上げ、私たちの声を通じて変化をもたらします。自分た
ちの言葉の力を、強さを信じましょう。私たちの言葉は世界を変えられるのです」「私たちは動くべきです。待っていてはいけない。動くべきなんです。政治家や世界の指導者だけでなく、私たち全ての人が、貢献しなくてはなりません。私も、あなたたちも、私たちも。それが私たちの務めなのです」。ガンディーは同趣のことを以下のように表現しています:「世界に良き変化を望むなら 自らがその変化の先駆けとなれ」。
(注1)著名なインドの哲人クリシュナ・ムルティを始めとする東洋の賢人達との対話の中で洞察を深め独自の世界観を提唱する。著書
『Wholeness and the Implicate Order』( 『全体性と内臓秩序』)は、 科学と宗教・哲学との “架け橋”的な意味でも評価が高い。
(注2)『マハトマ・ガンジーの非暴力抵抗運動 -アヒンサ(非暴力、不殺生)のルーツを探る』野呂 浩 氏(東京工芸大学工学部基礎
教育研究センター教授 )2006年