サミット・アイズ映画祭
(旧ヒマラヤ国際映画祭)
About the Summit-Eyes Film Festival
ヒマラヤ国際映画祭|
Himalaya Film Festival
ヒマラヤの尽きせぬ魅力、その価値を、ヒマラヤ関連の多様な映画作品を通じて世界の人々に伝えることを趣旨に始まった国際映画祭、
それが「Himalaya Film Festival(ヒマラヤ国際映画祭)」です。 オランダのNGOであるヒマラヤ・アーカイブ・ネーデルランド
(Himalaya Archief Nederland)が2003年よりアムステルダムで初開催。HAN代表はオランダ人医師のグレン・
ミトレイシング。彼はオランダ人のハーフで、青年期、彼は自らのルーツ、
アイデンティティを求めて母親の故郷であるネパールヒマラヤを放浪し、そこで、
山々のとてつもない大きさ、千数百年の年月に育まれた固有の文化の奥深さなど
全てに圧倒されます。それ以来、ヒマラヤの素晴らしさをオランダを初め世界に
伝えたいと長年切望してきました。彼の熱き思いに、ヒマラヤを愛する各国の
映画監督が賛同し応えたことにより、 2003年、映画祭は実現の運びとなりました。会期3日間に
、世界各国より選ばれた秀作(ドキュメンタリー&ドラマ)50本以上を上映。登山・文化・民族・
環境問題などジャンルは多岐に渡りました。オランダのみならずヨーロッパ各地より観客が訪れ、
映画の鑑賞だけではなく、招聘された監督及びヒマラヤ専門家との交流、音楽イベント等を通じて、
ヒマラヤに対する理解を深めたのです。
2006年、ヒマラヤ国際映画祭は転機を迎えます。海外での
初開催、東京開催が実現したのです(「ヒマラヤ国際映画祭Tokyo
2006」)。実質的な映画祭の国際化に伴い、統一趣旨を“ヒマラヤ
地域を通じて地球と人間の結びつきを考える”と定め、東京開催
では特に、”ヒマラヤを通じて地球環境を考える”ことをテーマと
しました。映画の上映に加え、関連シンポジウム(「地球温暖化
問題」)を、ヒマラヤの氷河が融けている実情を示した映像を交え
ながら開催しました(パネリスト:西澤潤一氏〈首都大学東京学
長〉、小池百合子氏〈環境大臣(当時)〉他)。この模様は、
後日、NHK(BS)で放送されました。当初、「ヒマラヤは日本人に
余り馴染みがない。映画祭には900人も来れば御の字」との
(日本側)関係者が大半でした。しかし蓋を開けてみれば、予想を
遥かに上回る約2000人もの来場者(7日間)!中には、態々
地方より泊まりがけで来て下さった方もいて、日本におけるヒマラ
ヤに対する関心の高さを改めて実感させられました。「アメリカ人
男性が世界で初めて盲目としてエベレストの頂を極めた記録―
『盲目のクライマー』」、「開発の波に翻弄されるチベット族遊
牧民の苦悩−『遊牧民と呼ばれて』」、「ノスタルジックな民謡の
ルーツを探り山々を放浪する男たち―(『歌声はヒマラヤの彼方
に』)など、厳選した16作品は押し並べて好評。又、招聘した
監督の一人で、ネパール内戦下の教育状況を描いた(『戦火の中の
学校』)ドゥルバ・バスネット氏がNHKのニュース番組(『おはよう
日本』)で紹介され、大きな反響を得ました。更に、映画祭は、
土曜スタジオパーク、ラジオ深夜便(以上 NHK)、毎日新聞、山と
渓谷、ソトコトなどのメディアでも紹介されました。観客の方々
より「ユニークで素晴らしい映画祭だった」、「来年の開催が待ちきれない」など嬉しいお言葉も多数頂き、開催までの数々の苦労が報われた思いでした。根深い対立状態にあるインド、パキスタンの両国の大使館に映画祭の趣旨をご理解頂き、両者が一緒にご後援して下さったことも、非常に嬉しい出来事でした。
2007年2月初旬、アムステルダム(オランダ)で第5回ヒマラヤ国際映画祭(Himalaya
Film Festival2007)が開催。今年度のテーマは”'Mapping theTibetanWorld”("チベット世界を
探検する")。すなわち、「チベット世界」のフィチャー。このテー
マに沿い、宗教、自然、習俗など様々な視点でチベット世界を捉えた
作品群がラインナップの中心に据えられました。21世紀の現在も固有の特徴を色濃く残すチベット
文化は世界的に見ても大変ユニークな存在。しかし、その希有の文化、宗教を生み出したチベット
民族は、急激な「チベット近代化政策」により、自然破壊、伝統文化・アイデンティティの喪失等の
危機に直面しています。この年度のテーマ設定には、このような
背景もあったのです。この会には、ゲストとして、国際的に著名な
環境活動家ヘレナ・ノーバーグ・ホッジさんが参加されました。
2008年2月、新潟県が後援する「にいがた国際映画祭」にて
”ヒマラヤ国際映画祭特集&トークセッション”が行われ、観衆を
魅了しました。同年11月、東京における第2回目の開催(「ヒマ
ラヤ国際映画祭TOKYO2008」)。この会の関連講演では、チベット
仏教ゲルグ派の高僧アジャ・リンポチェ氏に「地球温暖化問題を
抱える現代社会における仏教の役割」について話して頂きました。
2009年4月には京都・神戸にて開催し、ネパールとの縁の深い宮原巍氏をゲストとして迎え し、ヒマラヤへの思いなどを伺いました。京都新聞、関西テレビを始め、多数のメディアにも取り上
げられました。(「ヒマラヤ国際映画祭WESTJAPAN2009」)。
翌年2010年、10月にはニューヨークにて、11月には東京
で開催しました「ヒマラヤ国際映画祭TOKYO2010」。東京開催では
新作を含む約40作品を上映し、合わせて、インド人、ブータン人、
ネパール人、日本人による「ヒマラヤ文化の現代的意義」に迫る
国際シンポジウムを開きました(国際交流基金後援)。テレビ朝日、
Vogue、山と渓谷などで取り上げて頂き、多数がご来場して下さい
ました。
その後、映画祭で日本語字幕を製作して上映した作品の数々は、
環境映像祭、アジア関連映画祭など他の映画祭での再上映、テレビ
放映、文化交流会での上映等が行われています。2012年開催の
「地球環境映像祭」では、私どもの映画祭で幾度も上映したブータン
映画『思いを運ぶ手紙』が “地球環境映像祭大賞”を受賞しました。
会場で監督と喜びを分かち合った時、日本で他に先駆けて紹介した
ことを改めてとても嬉しく思いました。
*ヒマラヤ国際映画祭TOKYO2010
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Summit-Eyes Film Festival
2011年より、映画祭は休止しています。日本において、このような世界の知られざる
秀作を一堂に集めた映画祭を実施し続けていくには多くの困難が伴います。以下、その主な
課題です:
1)映画の翻訳:
外国作品は、通常、その国の言語及び英語の字幕版が製作されています。つまり、“国内
用”と“国際用”です。残念ながら、日本語版があることは非常に稀です。そのため、作品
を取り寄せた後、日本語版をこちらで製作しなければなりません。翻訳、そして映像に字幕
を挿入していく二つの作業が発生します。時間のかかる大変な作業であり、多額のコストも
かかります。
2)スポンサー:
ハリウッドの様な商業作品ではなく、しかも、(秀作とはいえ)一般に名の通っていない作品を集めた映画祭のスポンサーになって下さる企業は残念ながら日本では殆どありません。そのため、開催するために、入場料及び個人資金をその費用としてきました。関係各位のご協力のお陰で、この手の映画祭としては毎回かなりの観客を集めたのですが、最終的には殆どの会は赤字に終わりました。
以上を主な理由に、映画祭を一旦休止し、映画祭の規模及び運用の仕方等を検討してまいりました。今後の展開として、「ヒマラヤから世界を考える」というテーマをより明確にした映画祭を、現在開設準備している「ヒマラヤ・アウェアネス・チャンネル」と連動させながら開催していく予定です。又、これに伴い、名称を「サミット・アイズ映画祭」に改めます。ここには、「ヒマラヤ世界の“頂き” (summit)から世界を観る(eyes)」の思いが込められています。次回開催が決まりましたら、同サイト等で逐次お伝えしてまいります。
どうぞ、ご期待ください。
改まして、常にこの映画祭プロジェクトを支えて下さっている方々に心より感謝申し上げます。
□ 観客の声(一部)
●心が熱くなりました。
●すばらしい活動!心から応援しています。
● 今までチベット映画は見たことがありましたが今回ほど幅広く、ヒマラヤ地域の様々な国、
文化、テーマでの映画をまとめてみる機会はありませんでした。
●世界各地の人間の生き方を、映画の持つ力で世界の多くの人に発信されたい。
● 普通では見ることができない貴重な映像を見ることができ、とても感銘を受けました。
また参加させていただきたいと思います。マスコミで報道されないニュースをこれからも発信していって下さい。
*映画祭で上映した作品をDVDで貸し出ししています。詳しくはこちらをご覧ください。
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